2024/01/01
調査スケジュール
blog
【難条件にも対応可能】都心部の狭小地・急傾斜の地質調査も確かな専門技術でクリア
建設プロジェクト事業の収益性を予期せぬ形で左右しかねないもの、それは「地盤リスク」です。
地盤調査の質・量が不足していたり、地質に対する解釈や工学的判断に誤りがあったりすると、その問題は後工程になって顕在化することがあります。
・追加杭工事の発生
想定よりも支持層が深かった、または地盤が軟弱だったため、杭の長さや本数を急遽変更する必要が生じる。
・基礎設計の大幅変更により当初の計画からの逸脱による設計のやり直し
・工期遅延設計変更や追加工事による、プロジェクト全体のスケジュールの乱れ
これらのリスクは建築コストを大幅に増大させ、プロジェクトの収益率を大きく毀損する要因ともなります。都心のプロジェクトではこれらの地盤リスクを排除するため、確実な地質調査結果を得ることが求められています。
本記事では、建築における地質調査の重要性と、都心特有の難条件を専門技術でクリアし、プロジェクトの収益性を守るウチヤマ地質工業の技術力について解説します。


地盤調査には次のような役割があります。また、都心の場合はさらにその特徴から高度な技術を要する調査が必要です。
建設プロジェクトの地盤調査は、建物や構造物を安全に支えるために、地盤の「安全性」「強度」「地質構造」などを詳細に把握するために不可欠なプロセスです。
地盤調査には以下のような目的があります。
建物(上部構造)の重量(荷重)に対し、地盤がどれだけ耐えられるかを測定します。地盤が軟弱で建物の荷重に耐えられないと判断された場合、地盤改良工事や杭基礎の設置が必要になります。
地質リスクを把握することは地質調査の大きな目的の一つです。
2023年5月26日より施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法」など、土砂流出・崩壊による災害などを事前に防ぐための規制もあり、都道府県などにより定期的な調査が実施されています。
特に高層建築や大規模開発が集中する都心部のプロジェクトには、以下のような特徴があります。
●高い荷重と深い基礎設計の必要性
超高層ビルや大規模マンションは荷重が非常に大きいため、強固な支持層まで荷重を伝達する必要があります。
●複雑な地下条件
過去の埋め立てや開発の影響で、地下の地質構造が複雑で不均一になっているケースが多いです。
●狭小地での作業
敷地面積に余裕がない狭小地での調査が求められることも多く、高い機動力が要求されます。
このような都心の特徴に対応するため、地盤の深い層まで正確に調査できるボーリング調査が不可欠となります。一般的に、戸建てなどの小規模な建物の地盤調査には「スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)」が行われますが、大規模建設には向いていません。
都心の大規模建築では、しばしば60m~70m級の深掘りが必要となります。これに対応でき、かつ地盤のサンプルを採取して液状化判定に必要なデータを得られるのは、ボーリング調査のみです。
| ボーリング調査 | スウェーデン式サウンディング試験 | |
| 深度 | 60メートル以上 | 10メートルまで |
| 費用 | 種類により違うが高額 | ボーリング調査の4分の1程度 |
| 期間 | 数週間 | 半日程度 |
| 液状化判定 | 可能 | 不可能 |
ボーリング調査は、SWS試験と比較して高額かつ時間を要しますが、都心の大規模プロジェクトにおいては必須とされる調査手法なのです。

地盤調査の必要性は、単なる法的な要件だけではなく、事業の経済性という観点からも裏付けられています。
国土交通省の事業再評価に関する調査(「地質・地盤リスクマネジメントのガイドライン」)によると、事業費増の約4割が地質・地盤に起因しているというデータが示されています。
国土交通省の調査によると、地質・地盤に起因する事業への影響のうち、自然的な要因は2割に留まり、8割は人為的な要因(調査・判断の不足)であると分析されています。
中でも、事業費増の原因として、以下のような「地質調査の質・量の不足」に起因する要因が上位を占めています。
・解釈・工学的判断の誤り:40.0%(1位)
・地質調査の質・量の不足:26.7%(2位)
これは、地質・地盤に関する不確実な部分を、初期段階の調査で適切に把握しきれていないことが、そのまま追加コストや遅延につながっていることを示しています。
<地質・地盤の不確実性が生む事業への影響事例(国土交通省の事業再評価例より)>
・想定より深い支持層:杭長の延長や杭工法の変更による追加費用が発生する。
・盛土材の不良・埋蔵物の想定外の発見:土壌入れ替えや廃棄物処理による追加費用と工期遅延が発生する。
これらの例では地質・地盤の不確実性を適切に扱うため、経験や知識のある専門技術者を参画させたリスクマネジメント体制を構築することが重要であると結論づけています。正確な地盤情報と、その情報を適切に解釈し、工事計画に落とし込む専門家による調査が地盤リスク排除のポイントとなります。
建築における地盤調査は、法律によって義務付けられており、近年その規制はさらに強化されています。
例えば阪神淡路大震災後、2000年には建築基準法が改正され、家を建てる際に地耐力を調べることが建築基準法上で求められるようになりました。
過去の大震災や土砂災害の教訓に基づき、建築物と宅地の安全性に対する社会的要請が高まっているのです。
| 法規・規定 | 主な内容 |
| 建築基準法施行令 第三十八条 | 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。 |
| 建築基準法施行令 第九十三条 | 地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、 国土交通大臣が定める方法によって、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。 |
| 国土交通省告示1113号 | 地盤調査、地盤改良の方法や、支持力の求め方を定める |
特に、2021年に発生した熱海での土砂崩れを機に、危険な盛土による災害を防ぐため、2023年5月に「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)」が制定・施行されました。
<宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)>
・規制区域内での盛土等を許可制とする
・安全対策の義務化
・完了検査の実施
・土地所有者等への維持管理責任の明確化
・違反者への罰則強化
この法規制の変更は、デベロッパーや建設会社に対し、土地の地下環境や埋蔵物に対する事前の調査と責任をより重く課すものであり、地質調査の徹底が、単なる建築の要件ではなく、企業としての法的・社会的責任として不可欠になっています。
2015年に発覚した横浜市のマンション傾斜問題は、2次下請け業者が杭打ちの施工データを流用・改ざんしたことが原因でした。
結果的に全4棟(705戸)の全面建て替えとなったこの件では、施工管理の不透明さや、下請け構造による責任所在の曖昧さが浮き彫りとなるとともに、地質調査の品質保証のあり方が問われています。

ビルやマンションの建設において、初期段階で得られる正確な地盤情報は非常に重要です。地盤の不確実性を排除し、プロジェクトの収益性を守るためには、都心特有の難条件をクリアできる高度な専門技術が必要とされます。
ウチヤマ地質工業は、都心という難易度の高いフィールドで培った専門技術により、基礎設計の無駄を排除し、結果としてコスト最適化に貢献します。
ボーリング調査の基本である標準貫入試験(N値)による地盤強度の測定に加え、ウチヤマ地質工業では、オートLLT「水圧制御方式を採用した全自動(試験と測定)の孔内水平載荷試験装置」を導入。スタッフのスキルアップも図りながら高精度な測定を行っています。
孔内水平載荷試験(LLT:Lateral Load Test):孔壁に圧力をかけ、地盤の水平方向の強度や変形特性(地盤反力係数)を直接測定する試験です。
この精緻なデータを用いることで、地震時や風荷重時における杭や地中梁にかかる水平力に対する地盤の抵抗を正確に把握できます。その結果、過剰な基礎補強(必要以上の杭長や太さ)を防ぎ、基礎工事費の適正化に直結します。
確かな専門技術による精度の高いデータ取得は、「地質調査の質・量の不足」を原因とする設計変更リスクを排除するための、最も重要な要素です。
都心の民間建築は、以下の3つの難条件が同時に求められる、最も難易度の高いフィールドです。
・狭さ(狭小地):作業スペースが限られる。
・深さ:高層建築に必要な60m〜70m級の深掘り。
・傾斜:急傾斜面など、調査機の設置が困難な場所。
1. 狭小地での機動力
都心のプロジェクトでは、敷地境界線ギリギリまで建物が建てられることが多く、調査機材の搬入や設置、そして作業スペースの確保が大きな課題となります。
ウチヤマ地質工業は、狭い敷地内で調査を完遂するための特殊な機材と運用ノウハウを有しています。最小限のスペースで、安全かつ確実な作業実行を可能にし、周辺環境への影響を極小化しながら質の高い調査を行います。
2. 急傾斜面への特殊対応
急傾斜面ではボーリングマシンを安定して設置するために特殊な設置技術が要求される困難な場所での調査が求められます。
豊富な経験を持つ自社施工班が、傾斜地に対応した足場や設置方法を迅速に構築し、他社が敬遠しがちな難所でも、安全かつ正確な調査を可能にします。

ウチヤマ地質工業の技術力は、都心部の極めて特殊な条件下での調査実績によって裏付けられています。
銀座のJV案件(サンケイビル様と住友商事様の共同開発)においては、既存の建物の中でボーリング調査を実施するという、非常に特殊で技術的な難易度の高い条件下での調査が必要とされました。
●銀座のJV案件での対応
建物内での調査は、機材の搬入、騒音・振動対策、そして狭い空間での安全な作業遂行など、高度なノウハウが求められます。当社は建物内での調査を得意分野としており、技術的な難条件下での調査をクリアしました。
この実績が、住友商事様や丸紅都市開発様といった大手デベロッパーとの信頼関係を構築し、その後の継続的な横展開につながるきっかけともなりました。

地質・地盤リスクがプロジェクトを直撃する都心部の建設プロジェクトでは、正確な地質調査は必須の初期投資といえるでしょう。
しかし多くの調査会社が、狭小地や急傾斜、特殊条件下といった難条件の案件は非効率なため、どうしても敬遠されがちでもあります。ウチヤマ地質工業は、それらの難条件で他社で断られた案件でも調査を完遂するため自社の体制を整えています。
確かな専門技術と機動力、そして地質・地盤リスクを排除し、コスト最適化に貢献する姿勢こそが、ウチヤマ地質工業が都心部のデベロッパーやゼネコンの皆様に選ばれ続けている理由です。
プロジェクトの収益性と安全性を確保するために、ぜひウチヤマ地質工業の専門技術をご活用ください。
