2024/01/01
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傾斜地の地質調査はなぜ敬遠されるのか?都心に潜む盛土リスクと、ウチヤマ地質工業が難現場を完遂できる理由
土地の有効活用が進む東京都心エリアでの開発でも、傾斜地での開発案件が存在します。そして傾斜地の建設プロジェクトであっても事前の地質調査が必要です。
「他社に『機械が入らない』と断られた」
「急傾斜地なので調査費用が通常より大幅に膨らむと言われた」――。
このような経験をお持ちのデベロッパーや土地オーナー様もいらっしゃることと思います。
地質調査会社にとって、傾斜地は非効率でリスクも高く、敬遠されがちなのは事実です。
しかし、2023年に施行された「盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)」の改正以降、傾斜地の地盤リスクを確認することはもはや推奨ではなく、事業主としての必要な防衛策となっています。
もし不適切な盛土や埋設物が見つかれば、それは将来的な修繕コストや賠償問題へと直結するからです。
本記事では、坂の多い東京都心でなぜ実地調査が不可欠なのか、難条件での調査をウチヤマ地質工業がどのようにして完遂させているのかについても詳しく解説します。


東京都心であっても、江東区や江戸川区のような海沿いの平坦なエリアと、武蔵野台地のエッジに位置する渋谷、新宿、港区などのエリアでは、地盤の性質が根本から異なります。
「〇〇坂」という地名がついているようなこれらのエリアは谷が入り組んだ複雑な地形をしており、わずか数メートル場所がずれるだけで、支持層(建物を支える強固な地層)までの深さが大幅に変わります。
現在は「Gスペース」などの地盤情報公開サイトで、過去のボーリングデータを誰でも閲覧できるようになりました。しかし、これらのデータはあくまで「点」の情報です。
特に傾斜地では、正確なデータがなければ本当の地質構造は分かりません。見積もり段階での想定と、実際の杭打ち工事での実態が乖離し、数千万円単位の追加費用が発生するリスクを回避するためには、ピンポイントで地盤の強度や状態の「バックデータ(根拠となる実測値)」取得が不可欠なのです。

傾斜地での調査において、私たちが重点的に調査するのは以下の3点です。これらは、その土地の「資産価値」と「安全性」に直結します。
傾斜地を住宅地やビル用地として利用する場合、斜面を平らにするために「切り土」をして、その土を「盛土」として積み上げるのが一般的です。
調査では、どこまでが人工的に動かされた「盛土」で、どこからが「自然地盤」なのかを厳密に判別する必要があり、判断には熟練の技術を必要とします。 盛土部分の厚みが把握できていないと、基礎の深さを決定することができず、不同沈下(建物が斜めに傾くこと)の原因となるため、確実な調査が求められます。
ボーリング調査の過程で行う「標準貫入試験」によって、地盤の硬さを示す「N値」を測定します。盛り土部分がしっかりとして強度を持っているか、あるいは軟弱で強度が不足しているかを土質試験の結果を交えて多角的に評価します。
地中に何かおかしなものが埋まっていないか、不適切な方法で盛り土がされていないかを確認します。
こういった調査が必要になった背景には、2021年の熱海市伊豆山地区での土砂崩れ災害をきっかけとした法律の厳格化があります。改正された盛土規制法では、「現在の所有者」に対して安全確保の責任が強く問われるようになりました。将来のトラブルや損失を避けるため、土地取得前に見えない地中のリスクを事前に洗い出す調査を実施する必要があるのです。
(参照:国土交通省 中部地方整備局「盛土規制法とは」 https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/morido/gaiyo.html)

地質調査では、トラックやボーリングマシンなどをさまざまな機材を横付けしたり、設置するための平坦な場所が必要です。
傾斜地では、機械を水平に設置するための場所がありません。こうした現場では、掘削を始める前の準備に多大なコストがかかります。効率を重視する調査会社にとって、傾斜地は割に合わない現場なのです。
地質調査業界の職人の平均年齢は非常に高く、60代〜70代が中心です。ボーリングマシンを急な階段や斜面で人力で運び上げる「手運び搬入」は、過酷な肉体労働です。 体力的にも、あるいは安全管理上のリスクからも、高齢の職人を抱える会社はこうした現場を請けることができないのが現状です。

機械が入らなかったり、足場が悪いとして他社が断るような急傾斜面や難しい条件の地形であっても、ウチヤマ地質工業が対応できるのは他社にはない3つの独自の強みがあるからです。
傾斜地で安全かつ正確にボーリングを行うためには、強固な「作業床」が不可欠です。当社は、単に機械を置くだけでなく、現場の勾配や土壌の状態に合わせて「足場仮設(一時的な足場を組むこと)」を行う特殊なノウハウを持っています。これにより、小さなスペースでも平坦で安全な作業空間を確保することができます。また、極端にスペースが限られた場所では、大掛かりな機械の代わりに「三脚」を組み立てて設置し、調査を行う事も可能です。
当社の最大の特徴は、20代から30代を中心とした、若くて体力のある自社職人を多数抱えていることです。そのため、トラックが入れない場所で会っても機械を分解し、職人が担いで現場の足場まで運び入れるという手法が可能です。
当社は地場の鉄工所や工場と密に連携し、通常の規格にはない「分解しやすく、かつ狭小地でも高い掘削能力を発揮する」特注の小型マシンを複数台保有しています。コンパクトでありながら、支持層が深い都心の地質にも対応できます。

実際に傾斜地、あるいは傾斜地を造成した土地特有の地盤リスク(土砂崩れや不適切な盛土による崩落リスク)を調べるための案件事例としては、箱根・強羅での特急対応案件があります。
観光地特有の急斜面での事例でした。土地の売り主様と買い主様の間で取引が急がれていたのですが、法規制の観点から「地中の安全性を証明しなければ契約できない」という局面でした。
私たちは即座に現地下見を行い、斜面に特化した足場計画を立案。困難な搬入路を克服し、特急で調査を完了させたことで、無事に土地取引が成立しました。スピード感を持って現場を動かす力が求められた案件でした。

ウチヤマ地質工業は通常、最短2週間での調査開始というスピード感を大切にしていますが、傾斜地においてはあえて「事前のプロセス」に時間をかけます。

傾斜地での地質調査は、確かに難易度が高く、コストも平坦地よりはかかります。しかし、それは決して無駄な出費ではなく、不確かな地盤の上に建てるリスクを可視化し、法規制に適合した安全な開発を行うために必要なプロセスです。
「機械が入らない」「職人が手配できない」などの理由でプロジェクトが止まってしまっていませんか?
難しい条件の調査でも、ぜひ一度、ウチヤマ地質工業にご相談ください。
